したい暮らし、感じる楽しさ
自分にぴったりなお家とは?
先日、新築の家におじゃまさせていただく機会がありました。広いリビングに窓がたくさんある気持ちのいい空間で、いろいろなところにこだわりがあって、頭の中は「いいな、いいな!」でいっぱいに。
でも、小さくても、古くなっていても、帰るとやっぱり落ち着くのはわが家なんですよね。
初めにご紹介する絵本は
「さるくんにぴったりなおうち」です。
さるくんは自分の家を造る前にたくさんの家を見学に行きます。ネズミ、キリン、ゾウ、どの家もすてきです。
そこでさるくんは考え、気が付きました。「ネズミの家は小さい、キリンの家は天井が高い、ゾウの家は大きくて家の中にプールがある。そうだ、自分にぴったりの家をつくればいいんだ!」と。そしてできあがったのは、木登りが大好きなさるくんにぴったりの家でした。
時に他人の芝生は青く見えるものです。家づくりを考える時、ショールームを見学したり、参考にしたい本や写真を見ているうちに、自分や家族の生活スタイルに本当にぴったりな家から視点がズレてしまうこともあります。「どんな家で、どんな生活をしたいのか?」。自分の軸をしっかり持つことの大切さに気付ける絵本です。
視点を変えると豊かに
次に紹介するのは、「こまっちゃったな たんじょうび」。
かたつむりくんは誕生日を目前に悩んでいます。友達のあなぐまくんやうさぎさん、にわとりさんにもぐらくん、みんなその日のパーティーを楽しみにしてくれているのに、背中にのっかった自分の小さい家にはみんなを招待することができないと…。
相談に行ったかたつむりくんに、すてきなアドバイスをしてくれたのはフクロウおばさん。「大丈夫! あなたはどこへも、その家を背中に背負って行くでしょ? だから世界中があなたのお庭なの。お庭でパーティーを開きましょう!」と。
すっかりうれしくなったかたつむりくんは、みんなをお庭に招待して、すてきな誕生会を開きます。最初は「ない」ものばかりを見ていたかたつむりくん。でも視点を変えると、世界中がお庭になりました。
「ない」や「欠けている」部分につい目が行くのは脳の特徴でもあります。でも人は視点を変えることで「すでに在る」ことに気が付き、豊かさを感じることもできるのです。あなたは何を見て、どんな感情を選択したいですか?