モノの扱いは自分と同じ

感謝の気持ちを伝える

「今までありがとう。お世話になりました。」古くなった部活の道具や破けた服、前年の教科書やノートなど、自分のモノに感謝を伝えて手放す。わが家では、息子たちが幼い頃からの習慣にしています。モノを大切にすることは自分自身を大切にすることにつながるように感じているからです。

初めに紹介する絵本は

「たいせつなこと」です。

「スプーンにとってたいせつなのは…」の文章から始まり、なぜその形、大きさ、素材なのか? そして、グラス、ひなぎく、雨、草、リンゴ…日常にある物は、形一つにもちゃんと意味があり、何一つ無駄なものはないことに気付かされます。

美しい絵と流れが心地よい詩のような言葉。最後のページでは「あなたにとって大切なのは あなたがあなたであること」と締めくくられています。

モノには必ず役割があるように、自分は、唯一無二で誰にも代わりはできない存在だと語ってくれているような絵本です。だからこそ、モノの扱い方は自分自身を扱うのと同じくらい大切だということにも通じるように感じます。

思い出が詰まっているモノは古くなっても手元に残していた私は、この絵本を読んでから、モノはその役割を果たしてこそ本当に大切にしている事につながると思えるようになり、感謝して手放せるようになりました。

役割を果たせるように

次に紹介する絵本は

「ライフ」です。

町の外れにたたずむ、「ライフ」という小さなお店。「ライフ」を訪れる人たちは、それぞれ大事にしていたモノを持ち寄って、これから自分に必要なモノを持ち帰るという「リユース」のシステム。

自分が愛着を持って大事にしていたモノが、持ち手が変わった後も宝物で居続けられる。

家族の成長やライフスタイルの変化と共に、これまで大切に使っていたものを手放す時が来ても、必要な人に喜んで受け継がれたら、自分も相手もハッピーですね。今の時代はたくさんのモノを簡単に手に入れることができるからこそ、モノとちゃんと向き合うことが必要なのかもしれません。

ふと、いつも目にしている日常の家の中のモノ。そのモノたちは唯一無二、そのモノにしかない役割をちゃんと果たしていますか?

モノの扱い方は自分の扱い方の延長です。今日はいた靴を拭いて靴箱にしまう。使ったアクセサリーを拭いてしまう。「自分はどう扱われたいですか?」「大切な自分を大切にしていますか?」。そんな事を語りかけられているような深い絵本たちです。