働くことの意味を伝える
好きなことを仕事にする
梅雨が明けると沖縄も本格的な夏。父の日にちなんで仕事についての絵本をご紹介します。
まずは、「はちうえはぼくにまかせて」。
主人公の男の子・トミーはお父さんの仕事が忙しくて、夏休みはどこにも出掛けられません。そこで、旅行で出掛ける近所の人の鉢植えを預かるアルバイトをするという物語です。
たくさんの人から預かった鉢植えでやがて家中がいっぱいになり、足の踏み場もないほど。テレビも植物が邪魔して見えにくく、お風呂場もジャングルのよう。ぶつぶつ文句を言うお父さんと、優しく温かく見守るお母さん。トミーは預かった植物を観察し、日陰や日なた、それぞれに合う場所へ配置します。そして図書館から本を借り、育ち過ぎた枝は刈り込み、切った葉は小さな鉢で育てます。
トミーは好きなこと、興味のあることが仕事になって本当に楽しそう。それがすごく伝わってきます。夏休みの終わりに、近所の人たちが鉢植えを引き取りに来ます。みんな前よりすてきで元気になっている鉢植えに大満足。トミーは小さい鉢植えも子どもたちへプレゼントしました。
子どものころから、好きな仕事についたら楽しい、報酬を得るからには責任を持たなければいけないという事が学べる絵本です。最後には、がんばったトミーにお父さんからのうれしいサプライズ。その場面の笑顔にほっこりします。
お金はありがとうの対価
もう1冊は「ありがとうのおかね」です。
3匹の動物の子どもが、どうしたらお金がもらえるのかをお父さんに聞きます。お父さんは、人から「ありがとう」を言われる仕事をすればもらえると答えます。さっそく3匹はお父さんが仕事をしているところを見に行きます。
お父さんたちはそれぞれの職場で「ありがとう」と言葉を交わしお金を受け取っていました。それを見た子どもたちは「はやくありがとうと言われる仕事がしたい!」とワクワク。そこでお父さんは言いました。「仕事はおうちの中でもできるんだよ。それはママのお手伝い」だと。
さっそくママのお手伝いでスーパーに買い物へ。買う時に「ありがとう」と言って「ありがとうのおかね」を店員に渡します。店員さんに「お買い物をしてくれてありがとう」と言われ、子どもたちはうれしい気持ちに。そして家に帰ると「お手伝いしてくれてありがとう」とママに言われて、またうれしい気持ちになりました。
もっともっと「ありがとう」と言われる仕事がしたい。子どもは人の役に立つことが本当に大好きです。子ども目線から仕事やお金について学び、お父さんにより一層の感謝を伝えられたらすてきですね。